ウリャーとかセイッとか叫ぶ人もいたので
近くを通った人はその奇声が筒抜けで何が起こってんだと思ったことでしょう。
恐いって。もしオレが通行人だったら…
(空手やってるとはまず思えんし…)
まかないはオーストラリアの食事に飽きていたオレにとっては最高のものだった。
こっちでは大抵肉より魚のが高かったのでまず食べる事がなかったけど
出てきたサバの塩焼きに涙しそうになった。
食費がかからないというのはこの職場の唯一の魅力だった。
ある頃から仕事を終えるとミチ君と一杯だけビールを飲みに
道に出ているカフェに寄るようになった。
彼はとても真面目でモクモクと仕事をこなす爽やか青年だったが
1人は寂しいと漏らしていた。
彼も日本に彼女を残したまま勝手にコッチに飛び出して来たらしく
色々と不安を抱えているようだった。
正にその頃のオレの境遇と同じだった。
ただ、オレはこっちに来て楽しい思いもたくさんしたけど
彼はいきなり飛び出して来てこの生活を送り続けているとの事だった。
彼の不器用だけど真っ直ぐな生き方に好感を持ち
休みの前日二人で朝まで飲み明かした事もあった。
なんだかオレもこの当時、金もなく、オーストラリアの生活に直面して
初めて日本が恋しくなったりした。
今まで楽しみ過ぎ!!
この分かり安過ぎるキリギリス!!
2人共寂しい気持ちはあったけど
もっと自分を試したいという気持ちは一緒だった。
単調な毎日の中で彼との一杯だけが1日の活性剤になった。
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