ニュージーランドでフルタイム雇用を目指すための基礎知識

 

               

ニュージーランドの実際の労働環境


ニュージーランドの労働環境を語る時に分かりやすい数々のデータがあります。

 

ここから見えてくるのは

 

簡単に起業できるスモールカンパニーが多く生活>仕事の構図がはっきりとしていて女性にも平等に

ポジションが与えられる公平な職場環境だということ。

 

 

 

現地の人は基本的に定時に来て(もしくは渋滞を避けるために早く来てコーヒーを飲みながらネットサーフィンして)定時に帰宅する人が多いです。

そのために夕方の渋滞も一斉に起こるために止まるのも数時間です。

また決め事はきちんと文書にして起こさないと後々もめるケースが多々ありますので
日本人的な「分かるだろう・・・」ではなくてはっきりと形にしておくことが必要です。



NZは世界で一番仕事と生活のバランスが取れている国 


http://www.newzealandnow.govt.nz/living-in-nz/balanced-lifestyle/work-life-balance

(80%移民がYESと答えこれは2位のタイとカナダの60%を大きく離してダントツの1位です)

・女性に平等
・家族を優先して仕事ができる。


業種にももちろんよりますが
時間なども結構フレキシブル。

家族の用事などでの遅刻早退は日常茶飯事です。


子供を迎えに行くという理由で早退が認められる
会社も多いです。

時間拘束よりも結果にコミットする事を
好まれる傾向にあります。

日本のように時期が来て必ず貰えるボーナスというものは通常存在せず結果に応じてのインセンティブはあるので雇用時にその辺も確認する必要があります。

 

英語力と仕事の関係  

 

西洋圏で仕事を考える上で英語力から考える方が多いと思います。

もちろん必要な場合が多いですしあればあっただけ選べるオプションの幅は変わってきます。

ですが英語が出来る=就職できるでは決してなくて英語をスキルとして認めてもらえるのは一部の会社になります。

 

現地系ではあるものが当然としてそこからどんな経験やスキルがあるかが求められます。(後述)

 

ここでは英語力と仕事の業務の概要を表します。

あくまでも目安ですが語学学校に行く人はそのレベルやTOEIC、IELTSのスコアなども参考にしてみて下さい。

 

英語レベル 具体的なレベル 職務内容 TOEICスコア IELTSバンド
Elementary 旅行会話 仕事にはまだ不十分(日系は可能性あり) 550未満 4.5未満
Pre-Int 日常会話 決められたオーダー、メール対応など 550-650 4.55.5
Inter 意思疎通 電話応対、フロア対応、コミュニケーション 650-750 5.5-6.5
Upper-Int ビジネス 会議、交渉、コンプレイン対応 750-850 6.5-7.5
Advanced ネイティブ 通訳、専門用語を用いて対応 850以上 7.5

 

 

日本での資格と経験について

 

―キャリアを生かすか?新しい道で行くか?―

 

ニュージーランドで仕事をと考える際には一番最初に


・今までの日本での経験が生かせるか?

・もしくは新たに資格などを取得して全く新しい道で行くか?



を考える必要があります。


そこでまずニュージーランドで働くにはどのような職種があり
どのような経験や資格が必要かを知る必要があります。

 

Careersnzで希望職種の情報を得る

 


NZ政府機関CAREERSNZでは各分野の仕事の概要、一般的な給与、働いている人の数、求人の多さ,、どのようにその仕事に入っていくか(資格取得や登録など)


経験者の声そして移民局の人手不足リスト(後述)にその職業が入っているかなどの情報を公開しています。

 


 

例えばシェフの仕事は仕事の数が多く人手不足リストに入っていることが分かります。



 

この例を見てみると

PAY(年間の給与):$35K-$65K(Kは1000ですので年間35000-65000ドル)

Job Opportunity(仕事の機会): Good 人手不足であるため仕事は多い

Length of Training ( 職に就くまでのトレーニング(就学)年数):1-3年

 

 

その他にも詳細をクリックしてみると・・・

 

業界の就職者数や、実際の就職者の声やどうやってこの業界に入るか関連の仕事の情報などが確認できます。

 

ではその職種に就くためには実際にどんな資格や経験が必要になるか、またその職種のジョブタイトルを得るにはどんな実務が求められるかはニュージーランドとオーストラリアと共通の職業リストから確認できます。

 

ニュージーランドとオーストラリアと共通の職業リスト(ANZSCO)を確認する

 

現在ニュージーランドとオーストラリアは共通の職業リストというものがありAustralian and New Zealand Standard Classification Occupations(通称ANZSCOと呼びます)に細かな記載があります。



試しに同じようにChefと入れてみると職種のタイトルとして

UNIT GROUP 3513 CHEFS

このページでは実際の職業の概要とスキルレベル(後述)経験や資格そして実務レベルでどんな事を実際にするかの記述があります。

 

 

ワークビザや永住ビザ申請ではこのJOB TITLEに応じた経験、資格、実務についてがが重要になってきます。

 

例えば・・・

ここに記載されている実務を実際にしていないと社内的にどんなに肩書でChefとうたってもNZ(とオーストラリア)のSkilledの仕事として認めて貰えないという事です。

逆に言えばSkilledに認めて貰えるように書かれている内容の実務を普段からこなせるようにしておかないといけないという事です。

 

運よく就職出来たとしてもシェフの実務として必要なメニュー構成や食材発注、人件費計算などをやっていなければいくら自分や会社がシェフだと言ってもNZではクックという別の扱いになり条件も変わってくるという事になります。

 

経験と学位レベルではかるスキルレベルについて

 

ニュージーランドの(仕事の)スキルのレベルは1-5までに分類されています。

 

これは学位のレベル(Diplomaレベル7など)とは違い数が小さい程にレベルの高いものというものなので注意が必要です。


多くのSkilled扱いになる仕事は資格の代わりに経験でカバー(免除)になる場合があります。

 

このレベルの見方について解説します。



まず最初に8つの大きなグループ(MAJOR GROUP)に大別され

 

そこから更に

 

・SUB-MAJOR GROUP

・MINOR GROUP

・UNIT GROUP

 

と細かく分かれて最後にOCCUPATION(職業)という内容にまで到達します。

 

特にそのOCCUPATIONの中でもスキルレベル分けて説明しています。

 

 

Skill Levelは通常

 

 

・取得した学位のレベル

 

・職業に関連した過去の経験(年数)

 

・職業に関連した実際の職業経験(年数)

 

などから計られます。

 

 

学位・資格のレベルに関してはそれぞれオーストラリアではAustralian Qualifications Framework (AQF)

そしてニュージーランドではNew Zealand Register of Quality Assured Qualifications(NZQA)に登録されているレベルを指します。

 

*これが専門学校のDiplomaコースなどで表される学位レベルです

 

 

職業に関連した過去の経験や職業に関連した実際の職業経験については上にあるように月や年などの長さがカウントされます。

 

これらを含めて現在ANZSCOでは職業のスキルレベルを5つに分けて説明しています。

 

 

(SKILL LEVEL 1)

下記のどれかが必要になる

・学士(四大卒)かそれ以上の資格。

・職業に関連した5年以上の経験がその代替になる場合もある。

 

(SKILL LEVEL 2)

下記のどれかが必要になる

・NZ登録のDiploma(通常NZQAのlevel5-6)か

 オーストラリアのAQF Associate Degree, Advanced Diploma or Diplomaレベル

・職業に関連した3年以上の経験がその代替になる場合もある。

 

(SKILL LEVEL 3)

下記のどれかが必要になる

・NZ登録のleve4の資格かオーストラリアのAQF Certificate IV もしくは

 IIIプラス2年以上の実務経験

・職業に関連した3年以上の経験がその代替になる場合もある。

 

(SKILL LEVEL 4)

下記のどれかが必要になる

・NZ登録のleve2-3の資格かオーストラリアのAQF Certificate Ⅱ もしくはIII

・職業に関連した1年以上の経験がその代替になる場合もある。

 

(SKILL LEVEL 5)

下記のどれかが必要になる

・NZ登録のleve1の資格かオーストラリアのAQF Certificate Ⅰもしくは

 中等教育を卒業した者

 

 

 

特定の分野においては上に挙げた資格に加えて過去の経験や職業経験が求められる場合もある。

 

スキルの条件

 

時給 ANZSCOレベル 1-3 ANZSCOレベル 4-5
$37.50以上 Higher-skilled Higher-skilled
$21.25 – $37.49/時間 Mid-skilled Lower-skilled
 $21.25以下 Lower-skilled Lower-skilled

 

これらのニュージーランドの職業リストや実務リストを参考に今までの日本での職歴でニュージーランドでも進むことができるのか?



もしくは不足分や新たに資格取得で専門学校も視野に入れ別のキャリアを目指すか?

という判断が必要になります。

 

この判断をする際に基本的なものの考え方があります。

 

各種人手不足リストについて

 

まずニュージーランドに限らずどこの国でも国民や永住権を持った人に優先的に仕事の機会が与えられないといけないことです。

 

(ワーク)ビザを発行してまで国の外から人を受け入れるということは(一部の例外を除いて)

 

国内でそのような仕事の募集に該当する人がいない(Labour market testもしくは labour checkと言います)という証明が必要になります。

 

一方で既に人手が不足していることが分かっていてそのようなLabour check を必要としない職業のリストが定期的に更新されます。

 

人手不足リストには3つのタイプがあります

 

The Long Term Skill Shortage List (LTSSL)・長期人手不足リスト

 

継続的に人手が不足している職業。
この職種でワークビザを申請する場合は状況に応じてEssential Skills Work Visa (技能ワークビザ)か LTSSL Work Visa(人手不足部門のワークビザ)になる。

LTSSL Work Visaを取得した場合は2年後に居住権申請が可能(work to residence のセクションで解説)

リストはこちら

 

The Regional Skill Shortage List (RSSL)・地域別人手不足リスト

 

過去にImmediate Skill Shortage List と呼ばれていたいたリストでLTSSLの様に直接居住権などにはつながらないが早急に人手を必要としている職業のリスト。

こちらは15の地域に分けてリストが公表されている。

申請者に十分な経験と資格があればEssential Skills Work Visaの申請が可能

リストはこちら

 

The Construction and Infrastructure Skill Shortage List (CISSL)・建築・インフラ関連人手不足リスト

 

こちらもRegional Skill Shortage List (RSSL)の一種で15の地域に分けて早急に人手を必要としている職業のリストの中で建築やインフラ関連に特化したもの。

RSSL同様に申請者に十分な経験と資格があればEssential Skills Work Visaの申請が可能

リストはこちら


自分の希望職種が人手不足リストにあるかをチェックする

 

移民局のサイトにその職業が不足リストに入っているかどうかをチェックするSkill shortage list checkerというページがありますので気になる職業はこちらで調べましょう。

 

Skill shortage list checker

 

人手不足リストと職業選択の注意点

 

人手不足リストばかりを気にしてビザだけを優先してしまいその後の生活で「仕事をする」という視点を無くしてしまうケースは危険です。

 


就職活動においては今までの経験や資格が問われますので「実際にニュージーランドで働いていく」という視点で最初のルートを考える必要があります。

 

シェフをするつもりがないのに人手不足リストに載っているという理由だけで調理の学校に入り永住権を取得した後に全く関係のない仕事を新たに探すというのは資格や職歴がマッチせず受け入れ先を探すのは容易ではありません・・・。

 

ただし永住権を取得後そこから自営業をしていくという事であればまた変わってくるでしょうけど・・・。

 

忘れて頂きたくないのはビザの問題は本当に大きいですが取れたらGOALという訳ではなくてそこからがいよいよスタートという事。

 

ですのでどのようなルートでどんな仕事に就くかを一番最初によく考えておくことが必要になってきます。

 

参考までに過去5年間でどの分野で各職業の何人が申請をして何人が却下されたか、受理されたかを知る移民局からのデータをしりたい方はこちらよりご連絡下さい。

 

 

Work to residenceは?

 

Essential Skills Work Visa (技能ワークビザ)とは別に下記条件を満たして2年働いた後に居住権にアップグレードするという方法

 

・Work to residenceのビザで2年間働いている

・無犯罪証明や健康診断などに問題がない 

 

このWork to residenceには2つのカテゴリーがあります。

 

From an Accredited Employer work visa

ニュージーランド政府が認める企業リストに入っている企業で働く場合

 

このResidence from Workの (Accredited Employers) カテゴリーで申請可能。

条件としては

 

・最低2年間Talent (Accredited Employer) Work visaを保持している

・このaccredited employerにフルタイムで雇用されていたこと

・年収NZ$55,000の雇用契約を結んでいること

*必要な職種の場合仮免(もしくは正式免許)を保持していること

 

List of Accredited employers | Immigration New Zealand

 

From a Long Term Skill Shortage List work visa

長期人手不足リストの職業で働く場合

 

このResidence from Workの (residence under Long Term Skill Shortage List) カテゴリーで申請可能。

条件としては

・最低2年間Talent (Accredited Employer) Work visaを保持している

・このaccredited employerにフルタイムで雇用されていたこと

・年収NZ$45,000の雇用契約を結んでいること

・55歳以下であること

*必要な職種の場合仮免(もしくは正式免許)を保持していること

 

 

専門学校卒業後に得るワークビザはなぜ有利?



語学学校とは違い現地の専の学校や大学を卒業するとその卒業するコースのレベルに応じて技能移民で永住権を申請をする際に学歴ポイントとしてカウントされます。

 

また2年以上の(一部レベル7以上を1年)コースを修了した学生には卒業後ジョブオファーが無くても1年~3年のジョブサーチビザ(*現在正式名称はPost-study work visa )の取得が出来ます。



こちらはOPENですのでどんな仕事に就くことも可能です。

もっと言えば兼業や起業も可能です。



雇用主には負担の少ないOPENビザですので面接の際には雇用主にそこを確認した方が良いですね。

 

 

これらには国内で人材がいるかどうかの労働市場チェックが義務付けられていない。

 

という点で一般的なEssential Skills(所謂)ワークビザの取得とは方法が大きく変わって来ますので雇用主の負担は少ないです。


その他にも最低限自分を守るために知っておくべきものとしてこちらもご参考下さい。

 

ニュージーランドで働く際に必ず知っておくべき8つの事

 

このページの内容を動画で見る

 

ニュージーランドのコミュニティグループに登録した方にはこのニュージーランドの就職に関連した動画が今すぐ見れます。

 

ニュージーランドで働く・移住する

ー就活から基礎知識から応用編まで【保存版】ー

・留学以外に何が出来るか?
・ 英語の勉強だけで行くのはもったいない
・ニュージーランドの仕事環境
・Career NZのサイトの見方
・税金(所得税)の仕組み
・パートタイムとフルタイム雇用の違い
・NZの職種(ANZSCOリスト)と資格レベル・スキルレベル
・NZの就職活動基礎編(オンライン&オフラインの活動)
・書類選考に選ばれるCV(履歴書)とカバーレター
・海外(NZ)で就職するにはHidden Jobを探す!
・海外で働くには日本からの準備が大事?(ネットワーキング)
・自分を守るために必ず知っておくべきNZの労働のルール
・ワークビザや居住ビザを考える
・ ワーホリ以外に長期滞在や就労を目指す方法

ボックスのコンテンツ

 

こちらからご登録下さい。

[mailpoet_form id=”2″]