14.オーストラリアの年末年始は寂しい?!

クリスマスと年末がやってきた。 クリスマス。 正直言ってぜんぜん雰囲気がなかった。 太陽SUN、SUN、夏真っ只中だった。 それでもジャスミン、ジャスティンがプレゼントを期待してる話や 母親であるヘレンが何を買おうか迷ってるという話を聞くと 近づいてたのだけは分かった。 驚いた事にこの国では子供1人に対して親は10数個のプレゼントをあげるらしい。 さらにそれだけに留まらず親戚のオバちゃんとかからも貰えるらしい。 まさに、まさにビックリの国へいらっしゃいとはこの事。 「オレはこの国の子供になりたい。…….親にはなりたくないけどね。」と言った。 実際ジャスティンはNINTENDO64を買ってもらい朝から夢中になってた。 ギャリーもね… オレのあげた忍者人形なんてそこらに放ってあったもん。 …あんなにNINJA,NINJA言って欲しがってたのに…。 「忍びとは所詮、陰の存在なのでござるね。 拙者切ないでござる。…」 こんな時子供って残酷なほど正直だから…クー泣ける!     ヘレンは更にギャリーがオレとのオセロ対決で 彼がかなりこのゲームを好きなのを知っていたので 「日本の友達に送ってもらえないか?」と尋ねてきた。 オレは「もちろんいいよ」と答えた。 ちょっと話が前後するけど、ちょうどクリスマスに入る前 同じクラスのヤスエ、マイコ、ミツの三人が 3ヶ月の滞在を終え日本に帰国しようとしていた。 最初の帰国組だった。 出発の前夜、皆で集まった。 食事をして夜のサウスバンクへ出かけた。 何かのフェスティバルが行われていていつもの人工プールはライトアップされ エメラルドグリーンに光り、とても綺麗だった。 チビッコたちのパレードや最後には花火も見れて感激モノだった。   さあ帰ろうかという時になって帰国する3人が次の日、早朝に空港にいかなきゃマズイのに 交通手段を考えてなくて慌ててタクシーを捜しに帰っていった。 ちゃんとしろよ!! でも皆、最後までいつもの調子でバイバイできてよかった。 一方で、楽しい夢の時間が覚めようとしてきている事にだんだん気付かされてきていた。 ・・・・・・・・   年明けはもっと雰囲気がなかった。 というより知らない内に年が明けてた。 しかも便所でパンツを下ろしたまま爆睡(酔!?)していた。 その週は皆でドミトリー(貸切の雑魚寝小屋みたいな物)を格安で借りて ゴールドコーストにサーフィンをしに来ていた。 オレはありがちな偏見でそれまで”そんなナンパなもんやるか” と思っていてやったことがなかった。 でも1週間も海にいるとやることが無くなってきて、一度位まあいいかと24にしてデビューしてしまった。 引退は光の速さでやってきた。 ウェットスーツに身を包んだ時、皆に「うわっダイ、チョーうまそう」と言われた。 単に色が異常に黒くてスポーツ体型だったからだと思う。 (腹はビールでやられはじめてましたけど…) 自分でも”うわっ、こりゃやばいな”と思うくらい似合ってた。 ・・・・・・・・・・また始まっちゃったぞ。 そのO’NELLのウェットはオレと出合う為に作られたんだと思った。 もう気分はイカすスーパーナイスウェーブライダーだった。 (まだ、待ってね。もうちょっとで終わるから) 意気揚揚と海に乗りこむ。 「そうだったのか?! 遠くからいつもオレを呼んでたのは お前だったのか?海よ!!待ってろーーー!!」 …何か背中に憑いてるだけじゃないですか? 2時間後イカす男は、女のこのボディーボードを借りて 「いいねコレッ。!!」とか言ってた。 こいつこそが本当の軟派男だった。 ・・・・・・・・・・・・・・・誰っ? しかしサーフィンがあんなに難しくて根気のいるもんだとは思いもしなかった。 あれは軟派なスポーツじゃない。本当ハードだった。 ケンイチは前の日フィンで頭をパックリ切って 麻酔もそこそこに縫ってたし… この日(海?)は引き潮がやたら強く皆、沖に出るのも30分以上かかり行ったら行ったで帰って来るのもまた大変だった。 真ん前で4・5mの波がブレイクしたら…もう本当泣きそう。   そんな日々をゴールドコーストで過ごし、大晦日、たいして飲んだ気はしないんだがトイレでオチてしまった。 彼は下半身丸出しで長いこと眠りこけてたとさっ。 ほんまアホや。 次の日、約束の年越し時間の午前0時に電話をしなくて日本の彼女に怒られた。 そりゃあそうだ。  




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